Poizon of rose

蜜×毒なイラストとかOJとか

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塀の中の中学校

Posted by Lazyrose on   4 comments   0 trackback

これでもぽざ絵

こういうドキュメンタリを基にしたドラマのあり方は難しい。
そもそもの事実が感動的だから、どうしてもそこを際立たせようとするあまり、余計なエピソードやくどい伏線が増えてしまうからだ。
また、「生きることへの意味、学ぶことへの意義」といわれれば、説教くさい、感動押し付けドラマだと思われかねない。
そういう意味で、このドラマは過不足なく、良くできていた。
ドラマだから、個々のエピソードが演出としてはベタになるのはやむを得ないが、過剰な演出も演技もなく、淡々とした描写にひそむシビアな目線がよかった。

放映後、「犯罪者が罪を後悔するシーンがあればよかったのに」という意見を多く見かけたが、むしろ、そのあたりをバッサリ捨てたところにこのドラマの味わい深さがあると思う。
ことさら罪を悔いる言葉がなくとも、
たとえば遺書を書く中で花火の音を聴いた川田の複雑な表情。
認知症の妻の介護に疲労して心中を図った佐々木の「妻も生きたかった」というセリフ。
それだけで充分視聴者には伝わるはずなのだ。

あと、飛び降り自殺しようとする生徒を、笊で受け止めようとするエピソードは秀逸だった。
あれを「馬鹿馬鹿しい」と思う人も多いだろう。
実際自分も、見ていて一瞬、笑っていいのか泣いていいのか混乱した(笑)

だってザルが無かったんだもん

しかし、一緒に観ていた家族がぼそっと言った。
「あんな事、自分だったらできないよ、だって自分も死んじゃうじゃない」
そうなのだ。実際に目の前で人が飛び降りようとしている時に、いったい誰がそれを受け止めようと本気で考えるだろうか。
傍から見たら馬鹿馬鹿しい、マヌケな姿かもしれない。
でも、自分を笊で受け止めようとする人がいるという事実に、絶望した小山田は救われるのだ。

惜しむらくは、石川先生が変わって行く姿の描写が足りなかったことだろうか。
生徒たちの気持ちを裏切ってしまった彼が、その後どうやって信頼を回復していったのか、それを納得させるエピソードがもう少しあれば、
あの笊のシーンも、そして卒業していく生徒たちが万感の思いをこめて頭を下げるシーンもさらに深くなったように思う。
おそらくは尺の問題だろう。
でも、だからといってそういうエピソードも入れられる連続ドラマになればいいとは思わない。
二時間半の枠内だからこそ、真剣に受け止められる内容だったと思うから。

それにしても、
一切女性が出演しないという潔い演出も、ドラマの舞台となる刑務所の閉塞感、世間との隔絶ぶりをよくあらわしていたように思う。
もし安易に石川先生の元彼女が出てきたり、川田の元奥さんが涙の面会とか、そういった要素が出てきたらその瞬間にすべてが台無しになっていただろう。

その上で、豪華としかいえない出演陣にため息が出る。
大滝秀治の存在は、ひとつのドラマを作り上げるほどの大きさを持っている。
正直この人が出てくるだけで胸がつまるんで、ずるいとさえ思う(笑)
渡辺謙の朴訥とした演技もさすがだ。大物オーラは消せないけど(笑)
ラスト近くで息子役の森山未來との対面シーンは、見ている側も涙をこらえきれないほどの圧巻だった。
若手の染谷将太も上手かったし、お笑いの千原せいじも演技の巧拙はともかくうまい配役だった。

しかし、自分はオダギリストなのでやはりひいき目に見てしまうが(笑)
前半、犯罪者に対する教育に批判的だった石川が、自らの挫折を経て変化する、その意識を、セリフではなく表情で見せていく演技はやはり上手いと思う。
わかりやすいセリフまわしや動作でしか見られない人間には判らないのかもしれないが、あの微妙な表情には毎度の事ながら感心する。
不謹慎な事を言わせてもらえば、追い詰められ、ダメージを負う役があまりにも似合いすぎていてそそる(笑)

でも泣かない

あと、個人的にすまけい演じるジャック原田の、半身麻痺ながら、また落ちこぼれかけ、理不尽な苛めを受けながらも黙って努力する姿に打たれた。
おそらく実際の刑務教官をモデルにしただろう担任の角野卓造、刑務署長の矢崎滋、刑務官の村田雄浩。
さらには石川先生を絶望させる編集長に高橋克実、父親に橋爪 功などなど、
端役にいたるまで凄い顔ぶれだ。なんですかこれは大河ドラマですかといいたくなるような贅沢さ。
その誰もが必死で生きている「その人自身」にしか見えないところが、役者というのは凄いものだと思った。
そして、これだけの役者にこれだけの演技をさせて、「過不足ない」と思わせる脚本はさすがだ。

今後桐分校の生徒たちは、元いた刑務所に戻り、それぞれ残った量刑をこなさなければならない。
戻った彼らが、どのように刑務所生活に戻り、そして出所後更生してゆくのかも知りたいと思った。
けれど、もう二度と会うことができない法務教官達と同様、視聴者もそれを知ることはできない。

豪華な出演者が誰一人無駄ではないという、非常に珍しいドラマだった。

Comment

小次郎 says... "うちんち、感想だけですんません"
うお!手描きじゃ~!!順平は手描きが似合うなあ。
ありがとうございます!
2010.10.15 07:55 | URL | #VwhHdBBk [edit]
rose says... "ぬわっはっはっは"
>小次郎しゃん
どうもどうも。手描きの人にそう言っていただけると嬉しいですね。
三枚目を見ていただけるとおわかりかと思いますが、実はPoserも使っておりまする。しかし、あの朴訥とした世界観にはやはりアナログが似合う気がいたしますね。
今回はぼかしブラシに凝ってみました。ぼかし具合で結構変化がつけられるようです。
小次郎しゃんも、余裕が出来たときにでもぜひ^^
2010.10.15 10:08 | URL | #4SZw2tfw [edit]
NICO says... "なにはさておき"
ザル持ってせっぱつまった表情であんなに可愛く見上げられたら、誰でも飛び降りるのは踏みとどまるだろう…なんつって、不謹慎かしら(笑)。
ちなみに、あんなに可愛く怯えたうさぎみたいな子だから、イジメ甲斐もあるってもんで。
すまん…どうしても不謹慎な方向に…。
いや、真面目な話、久しぶりにマトモなドラマ見たと思うよ…。
テーマだけじゃなくて、語り過ぎない処理の仕方、視聴者の感性に委ねた匙加減にプロの仕事を見た気がします。
2010.10.22 16:17 | URL | #- [edit]
rose says... "目線がヨコシマです(笑)"
>NICOさん
コメントありがとうございます。
やっと録画観られたんですね!ほっとしました(笑)
石川先生の(というかオダギリの)魅力はあの、いかにも普通な人が普通の範囲内で成長していくところでしょうか。
救命ザルも「普通」の延長であるところが、あのひと癖もふた癖もある面々の中での青臭い青年のリアルでよかったです。
まあ……ちょっと可愛いすぎるのが難(笑)
実際なんか弱み握って脅して言いなりにさせたくなるタイプだなあとか、いかんいかん感動ドラマなのにっ!

なんでも口に出して説明するお子ちゃまドラマの多い中、視聴者に考えさせるという質の良いドラマでしたね~!
2010.10.22 17:05 | URL | #4SZw2tfw [edit]

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