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深夜30分枠でこの濃度はお買い得

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深夜ドラマ「おかしの家」 第1話「恋と恐怖」

とりあえずの第一印象
駄菓子食いながらたむろするムサいおっさん4人にきゃわわ

‥‥あ、いえゴホン
すごく正直な事をいうと、スタート前の宣伝を見ていてちょっと不安だった。
まず「昔のまんまの駄菓子屋」というのが「うわひょっとして三丁目の夕日的なアレか!?」という警戒心を起こさずにはおられない(いやあの作品は名作だったと思うが)舞台設定だ。
しかもろくに稼ぎのないダメ男が集まってうだうだしているところに幼馴染のシングルマザーが戻ってきて‥‥という、ひねりのないありがちな展開で、

うーん、まさか「昔は良かったと現実逃避するダメ大人の自己満足話」だったらちょっとな~、ウザそうだな~、なんだかな~みたいな。

しかし、意外なことに登場人物それぞれが(確かにダメな大人なのだが)それぞれ自分の身の程をわきまえていて、想像したようなウザさがない。
駄菓子屋の売り上げ月4万円の生活をナントカするために工事現場のバイトをしてる太郎も、脚本家めざしてるらしい弘樹も、脇臭い剛も、ガラ透きの風呂屋の明さんも、そして子ども抱えて戻ってきた礼子も、皆「自分のどこが悪いのか」はちゃんとわかっている。
わかっているからこそ、太郎は礼子の恋愛フラグを避けようと「ぷーぞく‥‥ぴ、ぴゅーぞく‥‥とか? 行っちゃったり、とか?」みたいなことを口を濁しながらも告白しようとするし、礼子は礼子で「シングルマザーに恋は禁物!」とオノレに言い聞かせようとする。

誰もが「自分は特別」と思いたがり、安易に何とかなるさと思いたがる昨今のドラマの中で、このシビアな自己認識は心地よい。

のっけから「エンガチョ」連呼するような男たちのバカっぷりも、ちゃんと大人目線での照れ隠し的な要素だったようだ。
とはいえ、深刻な顔した男どもが「誤解を解かなきゃ」「もう本当のこと言っちゃえよ」と相談しているから、いったい何を隠してるんだ、ひょっとして太郎は実はバツイチだったとか隠し子がいたとか莫大な借金抱えているとかそういうことか? と思ったら、「実は時々風俗行ってる」というだけのたわいない秘密だったりする。
そりゃばあちゃんと二人暮らしの健康な男なら週一で風俗くらい行くだろうよ(笑)

このへん、ダサくて小心でうだつのあがらない三十路男のしょーもない生態をリアルに描いている、にもかかわらず映像が美しいもんだからこの連中に何だか好感持ててしまうところがすごい。
足湯の水中アップをはじめ各シーンが(むさいおっさん達なのに)美しい。女優さんを美しく見せようという意図皆無のリアルな陰影といい、ふんわりとノスタルジーまとった色調といい、映画的手法で撮影しているからなのか画面が心地よい。

あと、無駄を削ぎ取った脚本も上手い。
自分が考える「良質なドラマの条件」のひとつに、「さりげないのに印象に残るセリフ」というのがある。
今回でいうなら「子どもの時は子どもの時で何か辛いことあったぞ?」という太郎のセリフひとつで少年時代の彼のトラウマやばあちゃんへの思い、礼子の子どもへの思いなどが読み取れる。
非常にゆっくりゆったりしたテンポで描写されているのに、展開のテンポが良いからモタつかない。無駄がなくかつ含みをもたせる脚本だ。
さらに音がうるさくないとか、駄菓子屋のセットの芸が細かいとか、そういうポイントポイントが積み重なって「大人のドラマ」「映画みたい」という印象を作っている。

そして何より実力派のキャスト。ううむ、尾野さんとオダギリの組み合わせは想像以上にバトルだ。これはいい、かなりいい!
役者さんが(自分が自分がと前に出る戦いではなく)「いかに相手や脚本と噛み合うか」でしのぎを削っているというバトル。会話や目線や表情の自然なテンポの重要さを主演ふたりも脇もそのへんをばっちりわかっていて、まあなんたって
オダギリジョー
勝地涼
前野朋哉
嶋田久作

‥‥なにこのがっぷり魅せる役者布陣。
しかもあなた来週のゲスト藤原竜也ですって鼻血出そう!(濃度面で)

151025-blog1.jpg

そこだけ時がとまったような駄菓子屋で、それはおそらく太郎が「時が進むのが怖い」と思っているからで。
それは他の登場人物にもあてはまりそうだ。ひとりひとりが何かを抱えていて、そんな彼等がいったいどのように変化していくのかを、石井監督どんな切り口でどう見せてくれるのか、読めそうで読めないあたりがいい。
ノスタルジーの皮をかぶったシビア、とも言うべきこのドラマの先行きが楽しみだ。

あと、付け足しのようにいうが、実はこっちが本気で主張したい部分なんだが、
オダギリのソフトでやさしい発声はこのドラマの雰囲気づくりに一役買っている。「エンガチョ」言って相手が傷つかないエンガチョなんてそうそう言えないw
そしてあのヅラ、なんで地毛でもやれる髪型なのにあんなヅラかぶせてるんだろうと思ったけど、たぶんあの小さい頭だとダサい服着ててもシルエットが洗練されちゃうから、少しでも太郎をダサくするために頭デカくしたんじゃないかと思う。

Comment

sannzi says... "TVer (ティーバー)"
当方では放送されないので観る事は出来ないと思っていたのですが、今日開局したネット放送サービス、TVer (ティーバー)で見る事ができましたヽ(^o^)丿
なんでも在京民放5社が見逃し放送をみる事が出来るように始めたサービスだそうです。
お菓子の家第一話は今週の水曜日まで配信だそうです。
グッドタイミングの開局でした。
まあ、ご存知かもしれませんが念のため此方です。
http://tver.jp/

早速見てみたのですが、何だか心をほぐされるような良いドラマでした。
少しばかりの心配事が有っても癒されてしまいますね・・・
roseさんの番宣を見ていなかったら、おそらく知らずに見過ごしていたと思います、良かったです。
印象的なのは太郎くんの頭、此処のジョー君そっくり、お見事です(^。^)
それと八千草おばあちゃんの品の良さ、気品と言うか麗人と言うか駄菓子屋のおばあちゃんの役をしていても之ばかりは隠せないです。

2015.10.26 19:05 | URL | #u2lyCPR2 [edit]
rose says... "そうそうそう!"
>sannziさん
そうなんですよ、ネット放送で見られるんだそうですね! オダギリクラスタさんたちが歓喜に沸いていました。いやあほんと、「○○地方が見られない」という嘆きツイを目にするたびに胸を痛めておりましたが、これで安心です。各局オンデマンド放送が浸透してきたとはいえ、登録とかが色々めんどくさいですし、「どこのでも見られる」という試みは重宝します。素晴らしい!

番宣‥‥になってましたか、わたくしの呟きw
この髪は3DreamさんのZelene Hairなんですけど、この方の髪はすごく変形きくので助かりますねえ。あらゆるフィギュアを網羅してくれるのもあって、ほんと有難いです。
オダギリの声に触れましたが、八千草さんの声もまたとてもやわらかくて癒されますね。「経世済民の男」の草笛光子さんもですが、品のある年配の女性とはオダギリ氏相性いいです。抜群です。
「おかしの家」、これからどうなっちゃうの? というハラハラ感は別にないですが(笑)むしろ登場人物の魅力になんとなく柔らかく温かい気持ちになれて、週半ばの殺伐とした水曜深夜にはいいのかもしれません。ぜひ2話もええとなんだっけ、ティーバー? でご覧くださいね!
2015.10.27 17:48 | URL | #4SZw2tfw [edit]

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